D.ヴァスターノ
D. Vastano

月の光(1905) <幻想曲>
Raggio di Luna, fantasia

D.ヴァスターノに関してはその経歴が全く分からないのであるが、この幻想曲「月の光」のみが知られている。本曲は1905年ボローニャ市のVita Mandolinistica誌に発表された。 当時ヴァスターノはニューヨークに住んでいたようで、この曲はセオドア・ルーズベルト大統領の娘アリスに献曲されている。戦争も収まり、雲が晴れてやっと月の光が射してきた事を喜んで作ったものと思われる。  マンドラ・テノーレによる抒情的なメロディに始まり、中間部は爽やかにかつ喜びにあふれて軽快に奏でられ、最後は再び美しいマンドラのメロディに戻り、落ち着いて満ち足りた気分で静かに終わる小品である。

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