蘇文慶・鄭翠蘋(1958-)
Su Wen-Cheng, Cheng Tsui-Pin

台湾で活躍中の作曲家。

雨後庭院 (1999)
The Garden after Rain

この曲は1998年のある夏の日の午後をモチーフとしている。作曲家2人がサンフランシスコの家で息子と犬のブラッキーとともに、庭の東屋で遊んでいた時に、突然大雨が降り出した。キラキラとした雨のしずくが草地や花の上に滴り、雨が上がると、プールに鮮やかな虹が浮かび、まるで神話のような風景が目の前に広がった。庭の花は生き生きと美しく咲き乱れ、緑の草の上には透明の雨露が付いている。東屋から目の前に広がる美しい景色から、この曲を作曲した。作曲家が台湾に戻る前に作ったこの曲は、海外での暮らしの美しい思い出を残すものでもある。 曲は4つの部分から成る。 A. 序奏:ギターの5連符と柳琴のトレモロで虹が浮かんだ空と花の上の雨露を描写する。 B. 自由な独奏部分:柳琴が滑音(ポルタメント、グリッサンド、スライド)、「打」(左手で押さえて鳴らして右手は弾かない奏法)、ビブラートなどのテクニックを用いて、ギターのような柔らかく美しい音色を表現する。さらに自由なパッセージと6連符、重音トレモロなどの技巧を用いる。 C. 叙情的なアンダンテ:柳琴のトレモロで優美な旋律を表現する。快適な生活や庭での美しい景色を表している。 D. 激しいアレグロ:速い16分音符が最後まで続く。太陽の光が出てきて、子供と犬が喜んで庭の中を駆け回る様子を形容している。楽しい雰囲気で曲を終える。

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