シモーネ・サルヴェッティ (c1885-c1935)
Simone Salvetti

「山嶽詩」や「トナーレ山の夏の夕暮」などで知られているシモーネ・サルヴェッティの生地生年は知ることが出来ないのだが、彼の作品の出版年号から見ると、1905年から1927年までの間になっているので、1880-1890年ごろの生れと推定される。
彼は50曲以上のマンドリン曲を書いているが、その半数以上をトリノのイル・マンドリーノ誌から出版し、残りはミラノのイル・プレットロ誌、ボローニャのイル・コンチェルト誌であるが、1923/24年にスイス・ルッヒジンゲンのマンドリズモ誌より4曲ほど出版されている。またその頃スイスのベルンに S.Salvetti マンドリン合奏団があり、主宰者はE.ポリアーニであるが、作者の名を冠したところに何らかの関連がありそうだ。
そしてイル・プレットロ1937年9月号報道欄に、トリノ近郊パヴィアのマンドリン・オーケストラが、合宿先のシチリアのメッシーナ郊外、サリーチェの温泉で演奏会を開き、ヴェルディ、チマローザ、マスカーニ、プッチーニの曲と並んで、故サルヴェッティ氏の作品「祈り」と「舟遊び」を、祈りを込めて演奏したとあるので、この合奏団との関わりと共に、亡くなってから間もないことを示している。

祈り (1924)
Invocazione

「祈り」は抒情的なメロディと火のように情熱的なメロディの交錯の中、気品あふれる荘厳なミサの祈りを思わせる曲。曲種はインテルメッツォ (間奏曲) である。

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