パブロ・デ・サラサーテ (1844-1908)
Pablo de Sarasate

パブロ・デ・サラサーテは、スペインのパンブローナに生れ、ヴァイオリン奏者で軍隊楽団の指揮をしていた父より音楽の手ほどきを受け、ヴァイオリンをおもちゃ代わりに育った。10才でオーケストラをバックにコンサート・デビューし、マドリードに出るとその名声は王宮にまでひびく。11才でパリ国立音楽院に入学し、教授連もその才能に舌を巻き、パガニーニの再来といわれた。 ヴァイオリニストとしてのサラサーテの名声は、彼の完璧なまでの演奏技術によるもので、彼の奏でる音は基本的には大変美しいものであったが、その演奏は感情表現の変化に欠け、表情が乏しいと批判もされた。彼の作曲した作品には「カルメン幻想曲」、「序奏とタランテラ」などがあるが、多くは彼の持っている高い技術が存分に発揮でき、聴衆に強い印象を与えることを目的としたような曲であった。彼はストラデヴァリウスを2本、共に1866年に購入、その後1724年製はパリ国立音楽院へ、1713年製はマドリード王立音楽院に寄贈した。

ツィゴイネルワイゼン 作品20 (1878)
Zigeunerweisen Op.20

ヴァイオリニストとして、また作曲家として活躍したサラサーテの代表作である「ツィゴイネルワイゼン」は、1878年にライプチッヒで初演された。「ツィゴイネル」はドイツ語で「ジプシー」を意味し、「ワイゼン」は「歌」を意味する。つまり Gipsy Song「ジプシーの歌」の意。前半はヴァイオリンの自由な歌とオーケストラの掛け合い、後半速くなるとハンガリーのチャルダーシュのリズムで曲は進む。ジプシー音楽は常に後打ちである。

序奏とタランテラ 作品43 (1899)
Introduction and Tarantella Op.43

ゆったりとした序奏の後に続くタランテラはイタリアのターラント地方の8分の6拍子の速い舞曲。その地方にいた毒蜘蛛タラントゥーラに刺されると舞踏病タランティスモという精神病になり、それを治すために踊り狂うと、正常に戻るといわれた踊り。

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