ジャック・オッフェンバック(1819.6.20 -1880.10.5)
Jacques Offenbach

ドイツのケルンに生まれたジャック・オッフェンバックは、1833年にチェロを学ぶためフランスのパリへ出て以降、ドイツへの一時帰国を除き、終生パリで作曲家・チェリストとしての人生を過ごした。本名はヤーコプ・レヴィ・エーベルストであるが、所謂ペン・ネームのオッフェンバックは父親の出身地に由来している。「天国と地獄」を始めとして111のオペレッタを作曲した。

ホフマンの舟歌
Barcarolle de l’opera Les Contes d'Hoffmann

最晩年に唯一本格的なオペラを手掛けたのが「ホフマン物語」であった。主人公の詩人ホフマンが酒場で語る三つの恋の物語はいずれも破綻、更に新たな恋にも破れて酒に酔い潰れたホフマンを、親友に変身した芸術の女神ミューズが詩人として蘇えらせるという内容。未完のままにオッフェンバックは死去したが、友人ギローにより完成され、1881年2月10日にパリで初演された。舟歌は第四幕で歌われる劇中歌で、もともとはオペレッタ「ラインの妖精」(1864年初演)で書かれた劇中歌が流用されたものだが、その美しいメロディが故に「ホフマンの舟歌」として舟歌の代名詞のようになっている。

Copyright(C) Orchestra “Plettro”