フランツ・レハール(1870.4.30 -1948.10.24)
Franz Lehar

オーストリア=ハンガリー帝国のコマーロムで、ドイツ人の両親から生まれたフランツ・レハールは、プラハ音楽院でドヴォルザークらに学び、ウィーンで「メリー・ウィドウ」に代表されるオペレッタ作曲家として人気を博した。同時にウィンナ・ワルツの作品も残し、その多くはオペレッタから編曲されたワルツである。

ワルツ「金と銀」(1902)
Gold und Silber, Walzer Op.79

この「金と銀」は独立した管弦楽作品として書かれている。軍楽隊長としてウィーンに出たばかりのまだ無名のレハールは、1899年に芸術家のパトロンとして当時有名であったパウリーニ・メッテルニヒ侯爵夫人から舞踏会用ワルツの作曲を委嘱され、1902年にウィーンのゾフィエンザールの舞踏会で自身の指揮によって初演した。メッテルニヒは毎年謝肉祭の頃に催す舞踏会にテーマをつけ、この年のテーマが「金と銀」であった。会場の天井から壁面まで、また参加する人々の衣装も金銀で様々に彩られていたと伝えられている。現在ではシュトラウス一族の作品と並び、代表的なウィンナ・ワルツとして広く演奏されている。

メリー・ウィドウ・ワルツ(1905)
Die lustige Witwe , Walzer

この曲は日本では英語訳の「メリー・ウィドウ(The Merry Widow)」で有名であるが、元はドイツ語を原語とする3幕からなるオペレッタである。レハール自身の指揮によりウィーンで初演され、大成功を収めた。第3幕でハンナとダニロの二重唱で歌われるワルツは特に有名で、単独でもよく演奏されている。

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