芥川也寸志 (1925-1989)
Yasushi Akutagawa

芥川也寸志は、文豪・芥川龍之介の三男として東京に生まれた。兄は俳優の芥川比呂志。1927年に没した父の遺品であるSPレコードを愛聴し、とりわけストラヴィンスキーに傾倒した。第二次世界大戦をはさみ、東京音楽学校(現東京藝術大学)にて学び、1947年に卒業。在学中から作曲活動を行う。1953年には、黛敏郎、團伊玖磨ともに「三人の会」を結成し、定期的に自作のオーケストラ作品を発表。管弦楽曲に加え、「八甲田山」等の映画音楽、「赤穂浪士」等のテレビ用音楽を数多く残した。

弦楽のための三楽章 (1953)
Triptyque for String Orchestra

弦楽合奏曲「弦楽のための三楽章」は、「三連画」を意味する「トリプティーク」の題名でも知られる。NHK交響楽団のアメリカ公演の為に常任指揮者クルト・ヴェスの依頼で作曲、同年12月にクルト・ヴェス指揮ニューヨーク・フィルハーモニーにより、カーネギー・ホールにて初演された。 当時国交の無かったソヴィエト連邦を訪問した際に持参した曲の一つで、1955年にワルシャワ音楽賞を受賞、翌年ソ連国立出版から楽譜が出版された。芥川也寸志が好んだ、同型のリズムを執拗に繰り返すオスティナート技法が多用され、急・緩・急の三楽章で構成される。(第1楽章アレグロ、第2楽章アンダンテ「子守歌」、第3楽章プレスト)

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