ルペルト・チャピ (1851-1909)
Ruperto Chapi y Lorente

ルペルト・チャピは、床屋をしていた音楽好きの父親から最初に音楽の手ほどきを受け、16歳のときにマドリードの王立音楽院に入学、作曲をエミリオ・アリエタに師事して1974年に卒業した。同年奨学生としてローマに渡り、そこで最初のオペラを作曲、その後スペインに戻りサルスエラ (スペインの民衆歌劇) の作曲家として大成功を収めた。彼は軍楽隊長も務めたが、全155曲のサルスエラのほかに、歌劇、管弦楽曲、4つの弦楽四重奏曲等室内楽曲も残している。また、1893年にスペイン音楽著作権協会を設立した。

セレナータ・モリスカ (c.1900)
Serenata Morisca

この曲は、19世紀末のムーアの影響を強く受けたスペイン・ロマン派のサロン音楽の典型的なもの。原題は、タレガ編曲のギター曲には Serenata de la Fantasia Morisca, La Cortede Granada とあり、G.ラーゴ編のバンドゥリア合奏の譜面でも Fantasia Morisca-serenata とあるので、オリジナルの邦訳は、組曲<グラナダの王都>より「ムーア風幻想曲−セレナーデ」ということになる。しかし昭和初期に日本で出されたバンドゥリア合奏のSPレコードのタイトルは、この原題と共に邦訳で「ムーア風夜曲」となっており、故に日本では「セレナータ・モリスカ」と通称している。

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