フランツ・フォン・スッペ (1819.4.18-1895.5.21)
Franz von Suppe

フランツ・フォン・スッペは19世紀中ごろに活躍したオーストリアの作曲家で、30のオペレッタと200にのぼる劇音楽を作曲した。多くは、指揮者としても活躍したウィーンのヨーゼフシュタット劇場やアン・デア・ウィーン劇場、及び、バーデン歌劇場の公演の為に作曲されたものである。しかし、その死後には作品の多くは忘れ去られ、現在でも残っているのは、数曲のオペレッタと序曲だけとなっている。

「詩人と農夫」序曲 (1846)
“Dichter und Bauer”, Ouverture

1846年8月24日にアン・デア・ウィーン劇場で初演された、3幕のオペレッタであるが、オペレッタ自体は早くに失われ、その内容も詳しくは判っていない。現在ではその序曲だけが好んで演奏され、「軽騎兵」序曲と並び、ズッペの代表作として知られている。

「軽騎兵」 序曲  (1866)
“Leichte Kavallerie”, Ouverture

「軽騎兵」は南ドイツを舞台として軽騎兵の隊長をまじえて展開する2幕のオペレッタで、1866年に作曲されアン・デア・ウィーン劇場で初演された。軽騎兵とは、甲冑を纏い楯と槍で重装備した騎兵に対し、最小限の軽装で足の速さを活かして斥候等に起用される兵のことである。現在はオペレッタ全曲が演奏されることはなく、この序曲だけはオーケストラ用の小品として広く知られるだけでなく、吹奏楽等にも編曲されて非常に人気の高い作品である。

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