ジョージ・ガーシュウィン (1898-1937)
George Gershwin

ジョージ・ガーシュウィンはアメリカの作曲家、ピアノ奏者で、代表作として管弦楽曲「ラプソディ・イン・ブルー」「パリのアメリカ人」、有名な子守唄「サマータイム」が歌われるオペラ「ポーギーとベス」、ポピュラー・ソングでは「スワニー」、「ス・ワンダフル」、「アイ・ガット・リズム」などがある。 彼はニューヨークの下町ブルックリンに貧しいユダヤ系ロシア移民を両親に生まれた。小学校時代にヴァイオリンを弾く親友に影響を受けピアノを始める。ショパン、リストの音楽に触れると共に、バーリンやカーンのポピュラー音楽にもひかれ、16歳のときに高校を中退してあるポピュラー音楽出版社にピアノ弾きとして就職したことが、彼の音楽的な方向を決定付けた。1919年にアル・ジョルスンによって歌われた「スワニー」が大ヒットとなり、ガーシュウィンのポピュラー作曲家としての土台が築かれた。

ラプソディ・イン・ブルー (1924)
Rhapsody in Blue

常に独創的な音を追及していたガーシュウィンの才能に目をつけていた1920年代のアメリカジャズ界の第一人者ポール・ホワイトマンは、シンフォニック・ジャズのための初めてのコンサートに向けた曲を彼に依頼した。そこで彼は2週間でピアノと小編成ジャズバンドのためにこの曲を書き上げたのだが、ピアニストとしてのガーシュウィンがまだオーケストレーションに全く不慣れで熟達していないことを見て取ったホワイトマンは、楽団のアレンジャーをしていたファーディ・グローフェ(組曲「大峡谷」の作曲家)にその編曲を頼んだ。かくして1924年ニューヨークで行なわれた「現代音楽の試み」コンサートにおいて、ガーシュウィンのピアノとホワイトマン指揮の同楽団により初演され、その旋律にあふれる独創性と、リズム上、和声上のインスピレーションゆえに、これを聴いた聴衆は絶賛し圧倒的な成功を収めたのである。 「ラプソディ・イン・ブルー」というタイトルは、ジャズのブルースを意味する「ブルー」と、民族音楽風な幻想曲の意味を持つ「ラプソディ(狂詩曲)」という語句を合わせたものといえるので、この曲は「ジャズの語法によるラプソディ」という、まさにアメリカ的芸術音楽の代表格の作品となった。

『ポーギーとベス』 Porgy and Bess  

ジョージ・ガーシュウィン作曲のジャズ・オペラ。貧困を極める黒人社会の痴情と犯罪を扱いながら、人間的共感を呼び空前の成功をおさめた。足の不自由な黒人青年ポーギーはならず者の沖仲仕クラウンの情婦ベスを見染めた挙句、クラウンを殺してしまう。刑を終えたポーギーが留置場から出て来た時にはベスは麻薬売人のスポーティング=ライフと共にニューヨークへ去ってしまった後だったという筋立て。1935年ボストンで初演され、未だに人気の高い曲である。

「サマータイム」 
Summertime

第1幕(他)で漁師の女房クララが暑い夏の夜、赤ん坊を抱いて豊かな夏の日を夢見て歌うブルースの子守唄。現在はジャズのスタンダード・ナンバーとして多くのプレイヤーにより演奏され、歌われている。デュボーズ・ヘイワードの作詞。

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